ポルトガルのオーキャンプ
ポルトガル連盟が設立されたのは第二次世界大戦の終結間近い1945年1月6日です。設立から2年後の1947年、オランダのハーレム郊外で開催された第8回ＦＩＣＣ世界大会に初めて2名の代表を派遣しました。戦後初の開催となるこの大会には、ポルトガルのほかオランダ、フランス、イギリス、ベルギー、ルクセンブルグ、スイス、デンマーク、イタリアの計10か国から1857人が集まりました。
翌1948年イギリスのケントで行われた第9回世界大会には8名が参加しました。そして1949年1月23日、ポルトガル連盟はＦＩＣＣに加盟しました。その年8月にフランスのフォンテンブローで開催された世界大会にはポルトガルから大挙150人のキャンパーがテントをかつぎ、汽車を乗り継いで参加しました。
以来ポルトガル連盟はＦＩＣＣ世界大会には欠かさず参加し、1975年には自国のサンタンドレで第36回ＦＩＣＣ世界大会を主催しました。その後1985年エリセイラ、1995年アルジェズールと、10年毎に世界大会を開催し、5のつく年はポルトガルの指定席ともなっています。
さらにポルトガル連盟は14歳から30歳までの青少年が参加するＦＩＣＣユースラリーを1983年サンタンドレ、1993年ナザレ、そして1999年にＦＩＣＣ加盟50周年を記念して第47回ユースラリーをポヴァ・デ・ヴァルジムで開催しました。そのほかにもスペインとの合同大会「イベリックラリー」を6回、かつてのポルトガルの植民地だったブラジルとのジョイントラリーも3回開催しました。
第36回ＦＩＣＣ世界大会の開会式(1975年サントアンドレ)
現在、ポルトガル連盟には全国19の地域から計550のクラブが加入しており、そのうち半数近い234クラブがリスボンにあります。連盟最大のクラブは「リスボン・キャンピングクラブ」で会員数は1万人を越えます。連盟に所属している会員の合計は約8万家族ですが、この数字はそれぞれのクラブの会員数の合計とは一致しません。というのは、クラブのメンバーは連盟に所属することを義務づけられていないからです。連盟に加入するかしないかは、まったく個々のメンバーの自由。さらに連盟会報の購読も各人の選択にゆだねられているため、同じクラブに所属するメンバーでもクラブに納める会費は、クラブのみに所属する者、連盟に登録する者、連盟会報を購読する者などによってそれぞれ異なります。そんなわけで全国５５０のクラブメンバーの合計が何人であるかは統計もなければ推定もできないといいます。このおおらかさが連盟に550ものクラブが連盟に加入している理由ともなっているのでしょう。